淫情の鎮魂歌(レクイエム)
憧れの匂いを嗅ぎまくりたい
花園乱 著
208ページ 
定価:857円+税

目次
 短編集 淫情の鎮魂歌
  雨に濡れた淫情
3 
  ヒトの目の前で
23 
  淫情の鎮魂歌
41 
  秘密の代償
67 
  美少女の性春
87 
  縁は淫なもの
105 
  淫らな契り
125 
  弄ばれた被写体
145 
  深夜の邪淫ロード
165 
  復讐はフェチで
185 
 目次


 再会した美貌の幼なじみと神崎をつなぐのは、「舐めまくる」だけの短い逢瀬…。淫靡な関係により深く溺れ、ぬけられないのは男か、女か!? 妖しい春情の匂い立つケッ策選!

 高校時代、アイドル的存在だった幼なじみの美紀子は、場末のホステスになっていた……。再会し、憧れ続けた想いを告げた神崎をあざ笑うように、美紀子は客の前で足にキスすることを要求する。だが、歪んだ恋心を抱く神崎は、彼女の足をしゃぶりつくす。それからふたりは、奇妙な関係を持つようになる。客に抱かれるたびに呼び出す女と、清めるように舐めつくす男―倒錯した愛情で結ばれる男女を描く表題作のほか、フェチック短編9編を収録。歯切れよく意外な展開が続く傑作選。


「お、おい。無理しなくたって」
 彼が言葉をはさんだのと同時、美紀子は手も添えずにそのまま口に含み入れたのだ。
「う、おおッ…………ふぅぅぅぅ……」
 神崎は、そのぬめりとした心地よい感触に、思わず腰を引きそうになった。
 
2002年9月発売
装丁:スクエア/岩崎隆介
ISBN4-89490-557-4
花園乱(はなぞのらん)
●1962年東京都大田区蒲田生まれ。日大芸術学部演劇学科卒。現在、(協)日本脚本家連盟会員。放送作家、雑誌ライターのかたわら、92年春、某月刊小説誌で作家デビュー。ストーリー展開の妙で魅せる、青春エロス系の作品を多数発表の後、「淫情の鎮魂歌」ほか、倒錯したフェチ的性衝動を持つ主人公の、愉悦と苦悩を描いた作品が、一部で高い評価。
●代表作
『堕天使少女』(徳間書房)
『鉄拳ガール純愛系』(ワニマガジン社)
『黒の断章』(パラダイム)