男という猫を飼う
年下の男精選
内藤みか 著
208ページ 
定価:857円+税

目 次
 男という猫を飼う
3 
   プロローグ
   第一部 男という猫を飼う
   第二部 男という犬を飼う
   エピローグ
 ホスト狂い
175 
 目次

 彼の肌同様、すべすべした舌がチロチロと私のクリームをかきまぜる。
「ああ、そ……そこっ!」

 思わず呻くほどに、彼の舌を私の身体は求めていた。
「いっぱい濡れてる……」

 智康がつぶやいて、ちうーとすすりあげる。
「ああ……」


恋をするなら猫、飼うならば犬
猫のようにきまぐれな智康とは恋のかけひきを。犬のように忠実な晃司とは、拘束しあう濃密な生活を。毛色の違うふたりの男をとおして、麻里は自らの倒錯した欲望に気づきはじめる。


 在宅で仕事をしている麻里は、今年で二十三歳になる。ペットを飼うのは好きではない…だが今、麻里は猫を飼っていた。智康という名の猫だ。猫のようにきまぐれな年下の男に麻里はすっかりはまっていた。だが、智康は麻里にべったりとなつく一方で、カナという少女とも別れようとしない。智康をなんとかして独占したいと願う麻里は、次第に倒錯した欲望を抱きはじめる…。
 恋愛と結婚、愛情と肉欲の光と影に揺れ動く女を描き出す表題作のほか、書き下ろしの短編「ホスト狂い」を収録。

 
2002年12月発売
装丁:スクエア/岩崎隆介
ISBN4-89490-568-X
内藤みか(ないとう・みか)
●1971年うまれ。22歳の時、失恋をきっかけにした官能小説が編集者の目にとまり、デビュー。新聞、雑誌、単行本などで精力的に執筆中。近頃はエッセイも好評。趣味はホストクラブ通いと育児サークル運営。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/8558/
E-mail micanaitoh@mac.com
●代表作
『メール不倫年下の男の子』(ベストセラーズ)
『若妻の誘惑・童貞白書』(マドンナメイト)
『美乳三姉妹』(フランス書院)など多数。